令和5年12月定例会会議録の要約をお届けします。
〇坂本健太郎議員
【害獣対策について】
熊の出没は、餌となる木の実の不作が影響しており周期的に被害が増える傾向にあります。
今年は、全国各地で熊による人的被害が報告され、統計開始以降、最多の3年前:158人を上回る被害が出ています。
環境省によると、令和5年10月末現在で全国で164件:180人が被害に遭い。うち5名が命を落としています。
山形県では5件、5人が被害に遭っています。
捕獲の統計では令和5年9月末現在、全国で4,305頭、山形県で327頭が捕獲されています。
当市でも熊の目撃が相次ぎ、先日は保育園の園庭で目撃されるなど市街地にも出没し、住民は驚くとともに不安に駆られております。
郊外では養蜂箱や柿の木を襲われたもののいまだに捕獲されていない熊もいると聞いています。
害獣駆除として、警察・自治体以外に猟友会・消防団の力を借りて対応していますが、市としてはどのような対応をしているのか、次の点についてお聞きします。
1・熊の目撃等から駆除までの組織的な流れについて
2・害獣駆除等に係るハンターへの手当・危険な作業での保険等の対応について
3・害獣駆除に係る人材の確保について
【中小企業、零細企業等における人材の採用・育成・定着等について】
市内の大多数を占める中小零細企業では、人材の採用・育成・定着等に大きな課題を感じています。
人材不足は深刻であり、人口減少、少子化、進学率の高まりから高卒人材の確保の難しさは過去最高とも言われています。
また、採用至っても数年で辞めるなど人材の定着も大きな課題となっています。
原因として、各事業所では専任の人事担当者がいないため人材の採用・育成のための時間的な余裕やノウハウの蓄積ができないなどが原因と言われています。
これらを解消するため、地域の企業群が合同かつ官民が連携して人材を確保・育成していく取組みを「地域の人事部」として国も支援をしております。
人口減少が加速する中、進学した子どもたちが地元に働く場所があるから戻ってくるという、地元就職への流れを作ることは、Iターンを含め人材確保の上で最重要ではないでしょうか。
人材の確保・育成に関する市の取組みと「地域の人事部」に対する市の考えを伺います。
【若者が変えていく新庄市について】
先日、新庄教育の日「コスモスデー」に参加し、各校が実施するふるさと教育に感動してまいりました。
学びの創意工夫がなされ、学びの深さとふるさとを思う気持ちが確実に醸成されていると感じました。
発表の中の一つで、生徒自ら新庄市を変えていく施策やアイデアを出し、予算も含めて実行まで行いたいという提案がありました。
これらは自分は社会を変えられるという成功体験にもつながり、その後の社会参画、政治参画にもつながると期待できます。
発表した生徒も、いずれは市議会議員を輩出する装置になると語っており、とても頼もしく思ったところです。
このように、生徒のアイデアを実現することは郷土愛を醸成する上で非常に重要と思われますが、市の考えを伺います。
〇市長
熊が出没した際は、関係機関が連携し迅速かつ安全に対応することとしており、出没した場所や被害の有無により注意喚起・情報提供の実施・出没地域周辺の警戒パトロール・必要に応じて追い払いや捕獲の実施などが対応の流れとなっています。
鳥獣被害に係る駆除対応への手当や保険については、猟友会の方々に新庄市鳥獣被害対策実施隊として対応いただいており、その活動に際し出動に応じた日当、燃料費などを支給しております。
また実施隊員は非常勤の公務員となることから、公務災害補償が適用されます。
害獣駆除に係る人材については、猟友会の方々は有害鳥獣駆除の専門的な技術を持っており長年の経験から得た地域の地形や特性、熊の行動パターン等に関する知識もあり、地域の安全のため御尽力いただいているところです。
しかし、会員の高齢化や若手への技術者の継承に課題があるとも認識しております。
市としましても、新たな担い手の確保・育成は重要な課題と捉えており、引き続き新規狩猟免許取得費用や猟友会の経費等への助成の充実を図ってまいります。
人口減少が加速していく中で、市内の各事業所においても人手不足は深刻な課題と認識しております。
人材育成・確保については、新庄商工会議所をはじめ企業協議会や教育機関などの関係機関で構成する人財育成推進・確保対策協議会において、就職面談会や階層別の研修会などの事業を実施して対応しております。
「地域の人事部」については、民間事業者等が主体となり行政や会議所等関係機関が連携支援する仕組みとなっています。
これは、市内企業の主体的な取組みが重要ですので、動向を注視しながら関係機関と連携した効果的な取組みについて研究してまいりたいと考えております。
〇教育長
市内の小・中・義務教育学校では、新庄に誇りを持つ児童生徒の育成のために、主に総合的な学習の時間を使って教科横断的にふるさと学習を行っています。
学習の成果の一つとして、ふるさと学習発表会で自分たちが探究したことをまとめて発表し市へ提言を行ったりしております。
今年度のふるさと学習発表会では、各校の発表や提言の内容について、関係課より実現の可能性やさらに学んでほしいところなど評価し伝えてもらいました。
そうすることで、児童生徒の今後のさらなる探究につながると考えております。
例えば明倫学園の提言では、中高生による委員会を組織し市政に意見や企画の提案をするというものがありました。
これに対しては、組織化することが目的にならないよう、まずは明倫学園以外の市内中学校・義務教育学校とも協議しながら考え方の輪を広げていくことが必要だと考えております。
そのためには、市から一方的に各関係機関に依頼するのではなく、明倫学園の生徒自身が説明したりしながら、新庄市の中学生からの声となるようにしていくことが大切だと考えております。
市としては、どのような形で若者の声を生かしていくことができるか各課と協議しながら、意見交流の場の設定等の検討を行ってまいります。
ふるさと学習を通じて、新庄を本気で探究した経験は新庄市に将来の自分の居場所を見つけることであり、自分がふるさとに必要とされているという自己有用感を醸成するものです。
今後も、市や地域・関係団体と連携し児童生徒のふるさと学習がより充実するよう努めてまいります。
〇坂本健太郎議員
害獣対策について再質問いたします。
熊の被害を受けてから現場検証を行い檻などの設置、また捕獲された熊の処分について行政の許可が必要になりますが、休日・夜間など市役所が閉庁している場合はどのような対応になりますでしょうか。
〇環境課長
捕獲許可につきましては、当課環境課において許可を猟友会に出しております。
熊の出没について従来は山林や山に近い農地で被害が出た場合に発令する事例がほとんどでしたので基本的に緊急性は低く、夜や土日の場合には、猟友会と協議の上、翌日・月曜日に許可を出し、罠を設置するという流れでした。
しかしながら、先日の土曜夕方に北町、万場町付近で熊が出没したという事案では緊急性が非常に高いと判断しましたので、猟友会と協議をし日曜日に許可を出したという経緯がございます。
なお、日曜日の対応については、非常に重要な案件ということでしたので市長にも登庁していただき適時判断を仰ぎながら対応した次第です。
〇坂本健太郎議員
慌ただしい中で皆様が集まって対応していただき本当に感謝申し上げます。
先日のケースでは、閉庁時でしたが日曜日で基本的には市内に課長も市長もおられたということから許可を出すことが可能だったとは思いますが、もしこれが出張などで他地域にいて許可がすぐに出ないということも起こり得ます。
その場合はどのような対応となっていますか。
〇環境課長
基本的には環境課においては、こちらの熊のような害獣対処事案のほかに防災関係も担当していますので、こういった事案が発生した場合は環境課全体で対応する体制を整えております。
そのため市内に担当者が必ず1名以上はいる形でシフトを組んでいることから担当者が不在で対応ができないということにはならないと考えております。
〇坂本健太郎議員
ハンターの登録を続けるには、道具の維持・檻、罠等、持ち出しが多いということを聞いております。
これら経費の負担軽減が人員確保の最短の方法と思っていますが、どのようにお考えでしょうか。
〇農林課長
こちらについては、協議会の予算でおおよそ対応するような形になっていますが、予算額が少なく猟友会会員の皆様の自己負担が多かったと感じているところです。
令和5年については、予算額約200万円を計上しておりますし、来年度以降もこの予算額が減らないよう要求してまいります。
また県からも交付金をいただく段取りになっております。
〇坂本健太郎議員
ただいま協議会というお言葉がありましたけれども、それについて質問いたします。
新庄市鳥獣被害防止対策協議会は平成28年に設置されていますが、その目的と運用について伺います。
〇農林課長
協議会の目的としましては、野生鳥獣による農林水産物の被害状況の把握・被害対策を効果的に行うことでの農林水産業の発展・地域住民の生活環境の改善を図ることとなっております。
こちらは上位法の設置により市でも設置したということでございます。
〇坂本健太郎議員
平成28年度の協議会設置以降の運用や協議会は開催されていたでしょうか。
〇農林課長
コロナ禍の時はなかなか会議が開けないという状況もありましたが、現在は年度末あるいは来年度早々に協議会を開き状況の報告・共有を図っていきたいと思います。
〇坂本健太郎議員
猟友会の皆様のお話しでは、資機材等のかさ上げや負担を減少するための市の対応が伝わっていない部分もありました。
協議の場などお話しする機会がなかなかなく、保険についても準公務員の扱いになるのか自分たちが保険にどういうふうに入っているのかなど様々に不安があるようです。
協議会以外に、猟友会の方々と話す機会はあるのでしょうか。
〇環境課長
私の把握している範囲内では、今のところ定期的な場というものは設けていないと思います。
都度、事案が発生した際に会長等とお話しさせていただいているというのが現状です。
〇農林課長
実施隊を統括している農林課としては、経費の支払いの際に隊員の方にお会いする機会がありますが、今後は改善を図ってまいりたいと考えております。
〇坂本健太郎議員
人材確保、費用負担ではなく側面支援という部分で酒田市の事例があります。
11月8日山形新聞に載っていたもので、熊監視用のカメラが赤外線でオンになった時にメールで通知が来るICT技術で側面支援をしているという記事がありました。
現状はカメラ設置後は、データ内容を確認しなければならずその手間があるとのことでしたので、その辺の支援はいかがでしょうか。
〇農林課長
協議会の予算の中からカメラの設置費用を捻出しております。
今回11月末までの実施隊の活動記録を確認させていただきました。
その辺についても周知徹底を図ってまいりたいと思います。
〇坂本健太郎議員
次に、ハンターの育成・猟友会への入会がなかなか難しいと聞いております。
現在の猟友会の人数、平均年齢を教えてください。
〇環境課長
猟友会の人数は今年度42名の方が登録しております。
年齢構成は、会員である40~80代までの年齢を平均すると60半ばでした。
〇坂本健太郎議員
猟友会に入ってほしいと思っても、基本的には銃の所持から始まり獣害についての研修も受けながらになると思いますので、やはりハードルが高く難しいと考えています。
当市の猟友会はメンバーの年齢が60代半ばで現役ということもありなかなか動けないというのが本音のようでした。
他県ですが、自分の畑は自分たちで守ろうと集落単位で研修を行い草の根で理解者を増やし、銃の許可・ハンター研修を行って会員を増やしていっているようなところもあるようです。
毎年1人の加入は難しいかもしれませんが、具体的な目標や次の一手をどのように考えていますでしょうか。
〇環境課長
今のところハンターを増やす手だてについては見つけられていないというのが現状です。
現在は免許取得費用の補助などの部分は引き続き続けていくとともに、猟友会と協議し今後を考えていきたいと思います。
〇坂本健太郎議員
消防団についてお伺いします。
今回の熊の市街地での出没で、広報活動は時間的にご苦労されていたと思います。
消防団の出動についてはどのような取決め内容になっていますでしょうか。
〇環境課長
今回の熊の事案に対しては消防団第一分団に出動していただいたところです。
今回は基準に基づき出動したということではございませんで、現場の判断と団長の判断で緊急避難的に捜索に参加いただいたというのが実態です。
〇坂本健太郎議員
これからもこういうことが起こらないとも限りません。
ぜひ活動内容・装備・マニュアル等の整備をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
〇環境課長
消防団と協議を重ね、装備・マニュアル等を充実させていきたいと考えております。
〇坂本健太郎議員
「地域の人事部」人材の育成・確保について再質問したいと思います。
こういった取組みは既存事業でも様々多くあるようですが、これらは市単体事業ではなく商工会議所・県・市町村とも連携していると思います。
どのような連携をされているか教えてください。
〇商工観光課長
人財育成推進・確保対策協議会という組織を構成しまして、各種事業に取り組んでおります。
具体的な内容としては、企業横断的な階層別研修会、新社会人・プレ社会人(高校生)対象のセミナー、市内全中学校、義務教育学校での出張職業体験講座(Shin-job)、山形大学キャリアデザイン講座への参加などを行っております。
〇坂本健太郎議員
新庄市の予算化がされ新庄市で開催しているものはどのようなものですか。
〇商工観光課長
階層別研修会、Shin-jobは市内で開催し、全て人財育成推進・確保対策協議会が事務局として参加しております。
〇坂本健太郎議員
本来であれば、企業自らの取組みとして、自分たちの人材を自分たちで確保するということが求められ、経費を負担して人材募集を行うのが本筋だと思います。
採用に関する人材・予算・情報がない中小零細企業の方々だと思いますが、情報も含めそこを支援するのが行政であると思います。
〇商工観光課長
市としましてもそこの部分は重要だと考えてございます。
当然、各企業で売上げ・収益のため各自人材を確保するのが本筋なのですが、市全体の人口減少対策・地域活性化は大きな課題ですので、人材募集の部分につきましては行政としても支援していくべきだろうと考えています。
〇坂本健太郎議員
新庄市で行う部分と各企業が行う部分はそれぞれの役割分担だと思います。
企業側でもどのようにしたらいいのか分からないというところもありますので、そういった企業がまとまり官民連携として行政が支援をする仕組みが「地域の人事部」だと思っています。
中小零細企業の中でも自分たちのところが小さいから来てくれないということではなく、魅力があるので来ていただけるという企業も全国にはあります。
塩尻市に視察に行きました。そこは桶を作っているところでしたが、そこで升も作っておりました。
その升は江戸時代は計りとして使われ、それがお酒を飲む器に変わり、今度はインテリアとして活用するという企業もありました。
そこでは、大学生を採用しそのデザイン力で新しい価値を創造し、結果企業が再生されたという事例でした。
この企業は、NPOが人材マッチングや大学生へのアプローチをするなど民間の力も借りながら、若者の採用にこぎ着けたとのことでした。
NPOなど地元において活躍できるプレーヤーを育てるということも必要だと思います。
〇商工観光課長
「地域の人事部」につきましては、人的資本経営という考え方に基づき国でも支援していると認識しております。
さらに議員がおっしゃられる通り、民間の方々が自ら主体的に人的資本経営を推進する体制を築くのが重要と考えております。
当然、その「地域の人事部」そのものを動かしていく方々や主体的な組織の原動力として活躍いただく方々の確保と、経費等財源的な支援も必要と併せて考えてございます。
他の先進事例も参考にしながら研究を進めてまいります。
〇坂本健太郎議員
他自治体を見てみますと、アプローチは千差万別で、成果が出ているところが先進事例として名前が挙がってきます。
ぜひ研究をしていただき、市の支援につなげていただければと思っております。
企業支援だけでなく、新しく業を起こす方への支援も重要です。
最近、霞城セントラル内にジョージ山形、酒田市にサンロク、米沢市に起業支援コワーキングスペースができましたが、新庄市ではそのような考えはありますか。
〇商工観光課長
創業支援につきましては、基本的に商工会議所が主体的な事業主体となりますが、市でも補助金等々財政支援をしているところです。
また、旧横山家具店のところで様々な創業支援を行うスペースを設けたとのことでございます。
〇坂本健太郎議員
ITを活用してどこでも事業を展開できる今の時代は、新庄市に来ていただき、様々な方との出会いから起業創業できる環境整備が必要だと思っております。
あとは、全ての行政の事務をいつまでも行政が携わっているのが良いかが問題になってきていると思います。
民間企業が、そういった業務を担えるようになればそれが新しい生業・産業となり、行政側は人的な負担が軽減され新しい事業展開への余力が出てくると思います。
その辺の観点もご検討をお願いしたいと思います。
学校教育でのふるさと学習という点です。
生徒たちが出してきたものを大人がどう捉え実現していくかが一番大事と思っております。
県内で有名なのは遊佐町の少年議会で、20年続いています。
これは選挙同様の体制で議会ができ、そこで自分たちの施策を発表し答弁をいただきながら予算も確保し、結果それらが町を動かしていくという実感が得られるものです。
金山町も模擬議会として、金山校の皆さんからバス料金の負担が多いという意見があり負担軽減につながったという事例もあります。
最近では南陽市のみらい会議で、子どもの市長・議員を輩出し自分たちでまちづくりの事業を行ったというのも記事にありました。
自分は社会を変えられるということを児童生徒が思うためには、大人が変わっていかなければならないと思いますが、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
〇教育長
子どもたちが提案したことを放置せず、また提案できる場をつくっていくにはどういう機会がいいのか、また子どもたちが中心に動き出す時には支えていかなければいけない面もあると思います。
子どもたちのやる気を酌み取って大人が本気で関わり実現させていくことが、子どもたちの成長につながっていくと思います。
関係課と相談しながら、できるところを少しずつ考えていければと思っているところです。
〇坂本健太郎議員
ぜひ生徒の気持ち・アイデアを市政の中に入れるためのアンテナを張っていただければありがたいと思います。
